Classici giapponesi con furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Leggi 星女郎 (ほしじょろう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.344 caratteri · 104 schermate
そこと、それから斜違いに向い合った沓脱の上の雨戸一枚は、閉めないで、障子ばかり。あとは辻堂のような、ぐるりとある廻縁、残らず雨戸が繰ってあった。
さて、寝る段になって、そのすっと軽く敷いた床を見ると、まるで、花で織った羅のようでもあるし、虹で染めた蜘蛛の巣のようにも見える――
ずかと無遠慮には踏込み兼ねて、誰か内端に引被いで寝た処を揺起すといった体裁……
枕許に坐って、密と掻巻の襟へ手を懸けると、冷かった。が、底に幽に温味のある気がしてなりません。
また気のせいで、どうやら、こう、すやすやと花が夜露を吸う寝息が聞える。可訝く、天鵞絨の襟もふっくり高い。
や、開けると、あの顔、――寝乱れた白い胸に、山蟻がぽっちり黒いぞ、と思うと、なぜか、この夜具へ寝るのは、少い主婦の懐中へ入るようで、心咎がしてならないので、しばらく考えていましたがね。
そうでもない、またどんな事で、母屋から出て来ないと限らん。誰か見るとこの体は、蓋を壁にした本箱なり、押入なり、秘密の鍵を盗もう、とするらしく思われよう。心苦しいと思って、思い切って、掻巻の袖を上げると、キラリと光ったものがある。