Classici giapponesi con furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Leggi 春泥・三の酉 (しゅんでい) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.075 caratteri · 173 schermate
三
「げんざい吾妻が死んでいる……」
ふいと小倉がうしろをふり返っていった。
「えゝ?」
田代は狼狽てゝ小倉のほうへ眼をうつした。
「いゝえよ、吾妻はこゝで死んだんだ。」小倉はしみ/″\した挙止で「火に追われて小梅からこゝへ逃げたんだ。――土手へさえ出ればいゝと思ったのがあの男の運の尽だったんだ。」
「あの人が。――あの人が、しかし……」田代はいった。「どうしてそんな死に方を。――大阪で聞いてあたしァびっくりした。――みんな、いゝえ、はじめに聞いたときには誰もほんとうにしなかった。」
「そうだろう、それは。」
「それにあの人。……といえば麻布の狸穴にいるものとばかり此方は思っている。――麻布にいるものがそんな目に逢うわけはない。――いゝ加減なことをいうにもほどがあると、その時分、ほんとのことのそろ/\もう分って来はじめた時分だから、みんな楽屋でそういってうわさした。」
三
「そうだ、それは。」小倉はうなずくように「これが吾妻でなくって三浦とでもいうなら、たとえそれは麻布が四谷に住んでいたにしろ、そうかい、やられたかい、あの男? ――どうで満足に畳の上で死ねる奴とは思わなかったが矢っ張そうだったかい? ――因縁という奴は矢っ張……」