Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.663 caratteri · 97 schermate
と、松村も同意した。小幡は先ず用人の五左衛門を呼び出して調べた。かれは今年四十一歳で譜代の家来であった。
「先殿様の御代から、かつて左様な噂を承ったことはござりませぬ。父からも何の話も聞き及びませぬ」
彼は即座に云い切った。それから若党や中間どもを調べたが、かれらは新参の渡り者で、勿論なんにも知らなかった。次に女中共も調べられたが、かれらは初めてそんな話を聞かされて唯ふるえ上がるばかりであった。詮議はすべて不得要領に終った。
「そんなら池を浚ってみろ」と、小幡は命令した。お道の枕辺にあらわれる女が濡れているというのを手がかりに、或いは池の底に何かの秘密が沈んでいるのではないかと考えられたからであった。小幡の屋敷には百坪ほどの古池があった。
あくる日は大勢の人足をあつめて、その古池の掻掘をはじめた。小幡も松村も立ち会って監視していたが、鮒や鯉のほかには何の獲物もなかった。泥の底からは女の髪一と筋も見付からなかった。女の執念の残っていそうな櫛やかんざしのたぐいも拾い出されなかった。小幡の発議で更に屋敷内の井戸をさらわせたが、深い井戸の底からは赤い泥鰌が一匹浮び出て大勢を珍らしがらせただけで、これも骨折り損に終った。