Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.663 caratteri · 97 schermate
「親分、いらっしゃいまし。どうもお寒うございますこと」
茶や菓子を出して頻りにちやほやするのを、半七は好い加減にあしらいながら先ず煙草を一服すった。それから毎日邪魔をするからと云って幾らかの銀を包んでやった。
「毎度ありがとうございます」
「時におふくろも兄貴も達者かえ」
お吉の兄は左官で、阿母はもう五十を越しているということを半七は識っていた。
「はい、おかげさまで、みんな達者でございます」
「兄貴はまだ若いから格別だが、阿母はもう好い年だそうだ。むかしから云う通り、孝行をしたい時には親は無しだ。今のうちに親孝行をたんとしておくがいいぜ」
「はい」と、お吉は顔を紅くして俯向いていた。
それがなんだか恥かしいような、気が咎めるような、おびえたような風にも見えたので、半七も畳みかけて冗談らしくこう云った。
「ところが、この頃はちっと浮気を始めたという噂だぜ。ほんとうかい」
「あら、親分……」と、お吉はいよいよ顔を紅くした。
「でも、去年から遊びにくる二人連れの武士の一人と、おめえが大変心安くすると云って、だいぶ評判が高けえようだぜ」
「まあ」
「何がまあだ。そこでお前に訊きてえのは他じゃねえ。