Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.663 caratteri · 97 schermate
この歳の暮は大御難で、あいつも少し自棄になっているようですから、仕方なしにお守をしながら午過ぎまで奥山あたりをうろついていると、或る茶屋から若い番頭が出てくる。つづいて小綺麗な娘が出て来ました。それを小柳が見て、あれは日本橋の菊村の娘だ。おとなしいような顔をしていながら、こんなところで番頭と出会いをしていやあがる。あいつを一番食い物にしてやろうと……」
「小柳はどうして菊村の娘ということを知っていたんだ」と、半七は喙をいれた。
「そりゃあ時々に紅や白粉を買いに行くからです。菊村は古い店ですからね。そこで私はすぐに駕籠を呼びに行きました。そのあいだ何と云って誘って来たのか知りませんが、とうとう其の娘を馬道の方へ引っ張り出して来たんです。駕籠は二挺で、小柳と娘が駕籠に乗って先へ行って、わたしは後からあるいて帰りました。帰ってみると、娘は泣いている。近所へきこえると面倒だから、猿轡を嵌めて戸棚のなかへ押し込んでおけと小柳が云うんです。あんまり可哀そうだとは思いましたが、ええ意気地のねえ、何をぐずぐずしているんだねと、あいつが無暗に剣突を食わせるもんですから、わたしも手伝って奥の戸棚へ押し込んでしまいました」