Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
彼女は自分の商売の種に狐を使いながら、碌々に毎日の食い物もあたえないので、狐が怨んで彼女を殺したのであると伝える者もあった。いずれにしても、怪しい市子の怪しい死について、いろいろの怪奇な浮説がそれからそれへと伝えられているのは事実であった。
「なにしろ、すぐに行ってみよう」
松吉を連れて、半七は早々に団子坂へ駈けつけると、おころの死体は今や検視を終ったところであった。検視に出張ったのは、あたかもかの丹沢五郎治で、彼は半七の顔を見るとすぐに声をかけた。
「半七、早えな。又ここで変なことが始まったよ。この草ッ原はどうも鬼門だ」
「まったく困りました」
半七は挨拶して、草のあいだに横たわっているおころの死体を一応あらためた。おころは大きい眼をむき出しにして死んでいた。
「狐に殺されたという噂だが、まさかにそんなこともあるめえ」と、丹沢は云った。「だが、爪のあとがちっとおかしい。まあ、よく調べてくれ。頼むぜ」
検視の役人はやがて引き揚げて、市子の死体は長屋の者に引き渡された。おころには息子があるらしいが、どこに住んでいるか判らないので、知らせてやることも出来なかった。