Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
はは、悪い奴だ、横着な奴だ。だが、考えてみると貴様も正直者かも知れねえ。一体、そんなことは知らねえ顔をしていても済むことだ。なまじいに余計な小刀細工をするから、却って貴様にうたがいが懸かるとは知らねえか。さあ、ありがたい和尚様がこれほどの長い引導を渡してやったのだから、もういい加減に往生しろ。どうだ」
藤次郎は蟇がえるのように店さきの土に手を突いたまま身動きもしなかった。その顔色は藍のように染めかえられて、ひたいからは膏汗がにじみ出していた。
「素人だ。きっかけを付けてやらなけりゃあ口があけめえ」と、半七は熊蔵をみかえった。
「野郎、しっかりしろ」
熊蔵はいきなり平手で藤次郎の横っ面を引っぱたくと、かれは眼がさめたように叫んだ。
「恐れ入りました」
かれが縄つきで鋳掛屋の店さきから引っ立てられる頃には、四月の日もさすがに暮れかかって、うす暗い柳のかげから蝙蝠が飛び出しそうな時刻になっていた。
これに就いて、半七老人はわたしに話したことがある。
「奉行所の白洲の調べもそうですが、わたくし共の調べでも、ぽつりぽつりとしずかに調べて行くのは禁物です。しずかに云っていると、相手がそのあいだにいろいろの云い抜けをかんがえ出したりして、吟味が延びていけません。