Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
「それ、逃がすな」
半七と亀吉は駈け寄った。
五
「まず怪談はここら迄でしょうね」と、半七老人は笑った。
「屋根から落ちた奴は何者です」と、わたしはすぐに訊いた。
「それは近所の質屋のせがれで辰次郎という奴です。年は十九ですが、一人前には通用しない薄馬鹿で……。こいつがどうしてズウフラなんぞを持っていたかと云うと、自分の店で質に取った品です。御承知でもありましょうが、江戸時代にはオランダ人が五年に一度ずつ参府して、将軍にお目通りを許される事になっていました。大抵二月の二十五日ごろに江戸に着いて、三月上旬に登城するのが習いで、オランダ人は日本橋石町三丁目の長崎屋源右衛門方に宿を取ることに決まっていました。その時には将軍家に種々の献上物をするのは勿論ですが、係りの諸役人にもそれぞれに土産物をくれます。かのズウフラも通辞役の人にくれたのを、その人が何かの都合で質に入れたというわけです。質物は預かり物ですから、庫にしまって大切にして置くべきですが、物が珍らしいので薄馬鹿の辰公がそっと持ち出した。いや、辰公ばかりでなく、それをおだてた奴がほかにあるんです。