Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
小伊勢の巳之助は建具屋の伊之助の間違いで、伊之さんを巳之さんと聞き違えたのである。勿論、両方ともにそそっかしいには相違ないが、薄暗いところで見違えたのが始まりで、両方の名が同じであるために、いよいよ念入りの間違いを生じたらしい。女の顔がのっぺらぼうに見えたなどは、巳之助の錯覚であろう。
京の商人が睨みの松で天狗にあったというのは、黒船のマドロスを見たに相違ない。口から火を噴いていたというのも、恐らく巻煙草のけむりであろう。それを思うと、半七も松吉も肚の中でおかしくなった。
二人はいい加減に酒を切り上げて、遅い午飯の箸を取っていると、町家の夫婦らしい男女と、若い男ひとりの三人連れが二階へあがって来た。ここの二階は広い座敷の入れ込みで、ところどころに小さい衝立が置いてあるだけであるから、あとから来た客の顔も見え、話し声もよくきこえた。三人は女中にあつらえ物をして、煙草をのみながら話していた。
「どうも驚いてしまった。あれだから油断が出来ないね」と、女房らしい女が云った。
「まったく驚いた。世間にはああいう事があるから恐ろしい」と、亭主らしい男も云った。
「藤さんなんぞは若いから、よく気をつけなけりゃあいけない」