Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
伊之助の顔には涙が流れていた。
「芝居ならば、ここでチョンと柝がはいる幕切れです」と、半七老人は云った。「お此という奴はわる強情で、ずいぶん手古摺らせましたが、伊之助が意気地がないので、その方からだんだんに口が明いて、古狐もとうとう尻尾を出しましたよ」
「古狐……。その狐の騒ぎはみんなお此の仕業なんですか」と、私は訊いた。
「そこが判じ物で……。まずお此という女についてお話をしましょう。こいつの家は芝の片門前で、若い時から明神の矢場の矢取り女をしたり、旦那取りをしたりしていたんですが、元来が身持ちのよくない奴で、板の間稼ぎやちょっくら持ちや万引きや、いろいろの悪いことをして、女のくせに入墨者、甲州から相州を股にかけて、流れ渡った揚げ句に、再び江戸へ舞い戻って、前にも申す通り、小間物の荷をさげて歩いたり、近所の茶屋の手伝いをしたりして、まあ無事に暮らしていたんですが、それでおとなしくしているような女じゃあありません。お此はことし三十八、相当の亭主でも持って堅気に世を送ればいいんですが、いつか近所の建具屋のせがれの伊之助に係り合いを付けて……。伊之助は二十一で、親子ほども年が違うのですが、お此のような女に限ってとかくに若い男を玩具にしたがるものです。