Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

きょくばだんの「トッテンカン」

曲馬団の「トッテンカン」

下村 千秋

Leggi 曲馬団の「トッテンカン」 (きょくばだんの「トッテンカン」) di 下村 千秋 (しもむらちあき) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 16.620 caratteri · 34 schermate

Aozora Bunko

九

新吉はただもう、無我夢中で働いていました。

九

十日ほどでそこを打ち上げた曲馬団は、今度は東京の南の端の町へうつり、そこでまた十日ほど打ちました。それから横浜へ行きました。次に小田原へ行きました。次に静岡、次に浜松、それからさらに大阪、神戸、京都、金沢、長野とまわって、最後に甲府市へ来たときは、秋も過ぎ、冬も越し、春も通りぬけて、ふたたび夏が来ていました。

新吉の曲馬団の生活も、もう一年になったのでした。そしてその間に、新吉はりっぱな象使いの名人になっていました。次から次へうつって行くときの長い旅を、新吉はいつも象といっしょに貨車に乗せられたのです。はじめから仲よしだった新吉と象はこのような長い旅のあいだに、もう兄弟のようになってしまい、象のファットマンは、新吉のいうことなら何でもわかり、新吉の命ずることなら何でもするようになったのでした。

団長もこれにはびっくりもし、よろこびもしました。そこで新吉を、象使いの名人として見物人の前へ出すことにしたのです。

これまでの象使いは例の一寸法師でしたが、一寸法師には、片足を上げさせたり、ラッパを吹かせたり、碁盤の上へ乗せたりするぐらいしか出来ませんでした。