Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Leggi 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.586 caratteri · 348 schermate

Aozora Bunko

売物の渋紙包みおろし置き       里圃

けふの暑さはそよりともせぬ     馬

砂をはふいばらの中のぎすの声     沾圃

別れを人が云ひ出せばなく       里

こたつの火いけて勝手をしづまらせ    ※(「くさかんむり/見」、第3水準1-90-89)

一石ふみしからうすの米        沾

というのがある。暑さは昔から歌などには取扱われず、この一句は全部が常の人の言葉で、文芸の座では是だけでも俳諧になるのだが、やや弱いのでさらに次の句に田舎の事物を繋ぎたしてある。ギスは上代のきりぎりすでなく、我々の今いうバッタである。真昼の日盛りにこの虫だけが鳴いている情景は、私などにはなつかしいもので、親の昼寝の間にそっと水浴びに行った、子どもの日のことなどが思い出される。ギスの声は蝉などと違って久しく途切れるので、別れを人がという次の句ともよく続くが、この軽い微笑の句を、たちまち恋の句に転回させようとするのだから、そこに若干の無理がある。そのかわりまた次の炬燵の句とはよく合って、まるで一篇の草冊子か何かを読むようである。全体に卑近な着想で、俳諧を下品にしたという評もあるが、とにかく一座心を合わせて、全体を一つの調和した美しいものに、こしらえ上げようとする努力はよく認められる。