Classici giapponesi con furigana
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みかいなふうけい
未開な風景
宮本 百合子
Leggi 未開な風景 (みかいなふうけい) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7478 caratteri · 16 schermate
まだ門の閉ったままの隣家の庭がそこから見下せた。飛石に葉が散っている。門燈の光で露に濡れた小さい蜘蛛の巣が見える。四辺はしめっぽく草木の匂いが漂った。
油井が、やがて云った。
「ああ、いい気持だ――みのえちゃん朝好き?」
「好き」
ずっと顔をさしよせ、
「私もすき?」
「…………」
頬笑み、木の実のような頬をしたみのえの手をとって、彼は、
「こっちへおいで」
と立ち上った。
彼は掃かない座敷の真中に突立って、確りみのえを擁きよせた。そして、幾つも幾つもキスし、自分の体をぐうっとかぶせてみのえを後へ反せるようにした。一度目より二度、もっときつく反らせた。
倒れるかと思って、みのえは両手で油井の羽織の背中をつかみ、
「あぶない、あぶない」
と、笑った。油井は真面目な顔で喉仏から出る声で、
「スウェーデン式体操」
と云った。
○
紫や黄や朱の縞のある新しいネルの元禄袖を着ているみのえの体から、いい匂いが発散した。
油井は、剪りたての花でも見るようにみのえの坐り姿を見つめていたが、
「どうしてそんなに奇麗?」
と呟いた。
みのえは嬉しそうに、満足そうに笑った。