Classici giapponesi con furigana
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しゅにっき
朱日記
泉 鏡花
Leggi 朱日記 (しゅにっき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.583 caratteri · 28 schermate
一
「小使、小ウ使。」
程もあらせず、……廊下を急いで、もっとも授業中の遠慮、静に教員控所の板戸の前へ敷居越に髯面……というが頤頬などに貯えたわけではない。不精で剃刀を当てないから、むじゃむじゃとして黒い。胡麻塩頭で、眉の迫った渋色の真正面を出したのは、苦虫と渾名の古物、但し人の好い漢である。
「へい。」
とただ云ったばかり、素気なく口を引結んで、真直に立っている。
「おお、源助か。」
その職員室真中の大卓子、向側の椅子に凭った先生は、縞の布子、小倉の袴、羽織は袖に白墨摺のあるのを背後の壁に遣放しに更紗の裏を捩ってぶらり。髪の薄い天窓を真俯向けにして、土瓶やら、茶碗やら、解かけた風呂敷包、混雑に職員のが散ばったが、その控えた前だけ整然として、硯箱を右手へ引附け、一冊覚書らしいのを熟と視めていたのが、抜上った額の広い、鼻のすっと隆い、髯の無い、頤の細い、眉のくっきりした顔を上げた、雑所という教頭心得。何か落着かぬ色で、
「こっちへ入れ。」
と胸を張って袴の膝へちゃんと手を置く。
意味ありげな体なり。茶碗を洗え、土瓶に湯を注せ、では無さそうな処から、小使もその気構で、卓子の角へ進んで、太い眉をもじゃもじゃと動かしながら、