Classici giapponesi con furigana
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しゅにっき
朱日記
泉 鏡花
Leggi 朱日記 (しゅにっき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.583 caratteri · 28 schermate
それも夢かな、源助、暗いのに。――
裸体に赤合羽を着た、大きな坊主だ。」
「へい。」と源助は声を詰めた。
「真黒な円い天窓を露出でな、耳元を離した処へ、その赤合羽の袖を鯱子張らせる形に、大な肱を、ト鍵形に曲げて、柄の短い赤い旗を飜々と見せて、しゃんと構えて、ずんずん通る。……
旗は真赤に宙を煽つ。
まさかとは思う……ことにその言った通り人恋しい折からなり、対手の僧形にも何分か気が許されて、
(御坊、御坊。)
と二声ほど背後で呼んだ。」
五
「物凄さも前に立つ。さあ、呼んだつもりの自分の声が、口へ出たか出んか分らないが、一も二もない、呼んだと思うと振向いた。
顔は覚えぬが、頤も額も赤いように思った。
(どちらへ?)
と直ぐに聞いた。
ト竹を破るような声で、
(城下を焼きに参るのじゃ。)と言う。ぬいと出て脚許へ、五つ六つの猿が届いた。赤い雲を捲いたようにな、源助。」
「…………」小使は口も利かず。
「その時、旗を衝と上げて、
(物見からちと見物なされ。)と云うと、上げたその旗を横に、飜然と返して、指したと思えば、峰に並んだ向うの丘の、松の梢へ颯と飛移ったかと思う、旗の煽つような火が松明を投附けたように※と燃え上る。