Classici giapponesi con furigana
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
Leggi 李陵・山月記・弟子・名人伝 (りりょう) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.013 caratteri · 129 schermate
昔の自分は愚かではあっても、少なくとも今よりは、しっかりとした――それはほとんど肉体的な感じで、とにかく自分の重量を有っていたように思う。それが今は、まるで重量のない・吹けば飛ぶようなものになってしまった。外からいろんな模様を塗り付けられはしたが、中味のまるでないものに。こいつは、いけないぞ、と悟浄は思った。思索による意味の探索以外に、もっと直接的な解答があるのではないか、という予感もした。こうした事柄に、計算の答えのような解答を求めようとした己の愚かさ。そういうことに気がつきだしたころ、行く手の水が赤黒く濁ってきて、渠は目指す女※氏のもとに着いた。
女※氏は一見きわめて平凡な仙人で、むしろ迂愚とさえ見えた。悟浄が来ても別に渠を使うでもなく、教えるでもなかった。堅彊は死の徒、柔弱は生の徒なれば、「学ぼう。学ぼう」というコチコチの態度を忌まれたもののようである。ただ、ほんのときたま、別に誰に向かって言うのでもなく、何か呟いておられることがある。そういうとき、悟浄は急いで聞き耳を立てるのだが、声が低くてたいていは聞きとれない。三月の間、渠はついになんの教えも聞くことができなかった。