Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ますおとし

枡落し

山本 周五郎

Leggi 枡落し (ますおとし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.765 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

「じつは、お上のお触れで、たいまいを使っちゃあいけねえことになるらしいんです」

「ええ」とおみきは頷いた、「贅沢禁止とかで、たいまいを使ってはいけないという、お触れが出るって、湯屋でちょっと耳にしました」

「そうだとすると」芳造は頭を掻き、うしろ首を撫でた、「本当にそうなるとすると、おばさんの腕がすたっちまうことになる、おらあそれにがまんがならねえんだ」

おうめが湯呑に水を持って来た。彼はひと口にそれを呷って、「もう一杯」と云い、おうめは勝手へ去った。

「ねえ芳っさん」おみきはなだめるように云った、「三年まえにも金箔が御停止になったでしょ、色刷りの錦絵が御停止になったり、縮緬の下布が御停止になったり、そのときどきでお上からいろいろ御禁制が出たわ、それでも一年か二年も経てばうやむやになってしまうし、御禁制の裏をくぐって、こっそり仕事を続けている者も、少なくないことは知ってるでしょ」

「そこなんだ」と芳造は云った、「おらあおばさんにそんな事をしてもらいたくはねえ、たいまいの代りに青海亀を使ったらどうかと思うんだ」

「聞いたことがないわねえ」

「おっ母さん」とおうめが云った。