Classici giapponesi con furigana
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きりゅうつうしん
桐生通信
Leggi 桐生通信 (きりゅうつうしん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 16.394 caratteri · 33 schermate
田舎のメインストリートから
私の住居は田舎の小都市ながらメインストリートに位している。この生活は少々の騒音を我慢すれば、かゆいところに手が届いて便利である。たとえば消防車のサイレンが行きすぎると、広告塔が間髪をいれず、
「ただいまの火事はどこぞこでございます」
と叫んでくれる。この広告塔ははなはだ、し(斯)道に熱心で、深夜でも報告を怠らない。四隣みな商店だから急場の必要品にも手間ヒマがかからず、居ながらにして街の呼吸が伝わってくる。
けれども私が本当に呼吸しているのは東京の空気である。私はこの小都市に住んで、年に二度ぐらいしか上京しないが、日々の読み物、そして心の赴く物は人の世の中心的なもの、本質的なものからそれることはできない。私の目や呼吸が東京の空から離れることはあり得ないのである。
私は毎日この町のメインストリートを散歩する。その目に映じるものは風景にすぎない。心の住む場所はまた別で、それはどこに住んでも変りがないものだ。
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小工業と商業でもつ桐生はおのずから個人的な都市で、したがって商魂もたくましい。ウカウカすれば隣人の目の玉もぬく機敏さが露骨で、むしろ好感がもてるのである。