Classici giapponesi con furigana
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つちのなかからのはなし
桜の森の満開の下
Leggi 桜の森の満開の下 (つちのなかからのはなし) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.558 caratteri · 153 schermate
和尚もいまいましくて仕方がない。夢のことだから別にキンタマが腫れあがりもしないけれども、憎らしいことだから、ある日牛を見に野良へでると、牛は寺男にひき廻されておとなしく働いており、和尚を認めると、急にしゃくりあげてポロポロと泣きだした。それが如何にも悲しげに気の毒な様子であるから、和尚も不愍になって、まだ三年あるのに、もったいないことだと思ったが、毎晩キンタマを蹴られるのも迷惑な話だから、まア、このへんで勘弁してやるのも功徳というものだろう、と考えた。
「まだ三年もあるのだが、見れば涙など流して不愍な様子だから、特別に慈悲をしてやろう。こんな慈悲というものは、よくよく果報な者でないと受けられるものではないが、それというのもお前の運がよかったのだから、幸せを忘れぬがよい。さア、好きなところへ行くがよい」
と、さとして許しを与えてやると、牛は大変よろこんだ様子で、どこともなく行ってしまった。それからはもうこの牛を見かけた者がない。
ある日のこと和尚が用たしにでて隣村を通ると、牛になった男の女房だった女が川で洗濯しているのを見かけた。この女は男が死ぬと何日もたたないうちに別の男のところへお嫁に行って暮しており、今しも男のフンドシを洗濯している。