Classici giapponesi con furigana
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つちのなかからのはなし
桜の森の満開の下
Leggi 桜の森の満開の下 (つちのなかからのはなし) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.558 caratteri · 153 schermate
左右の手に各小枝を握り、その両肩へ小枝を担う姿勢をとって、両肘を張り、一声高くこう歌った。
「花もなくて」
歌いながら、へっぴり腰も面白く、飛立つように身も軽く一舞いした。
「あら羞しや。羞しや」
小坊主は節面白く歌いたてて、両手の小枝を高々と頭上に捧げ、きりきりと舞った。と、舞い終り、ひょいと尻を持上げて、一足ぽんと蹴りながら、放屁をもらした。
花もなくて。
あら羞しや。羞しや。
小坊主は、舞い、歌い、放屁をたれ、こよなく悦に入ると見えた。同じ歌も、同じ舞いも、繰返すたびに調子づき、また屁の音も活気を帯びて、賑やかに速度をはやめた。
放屁のたびに、満座の小坊主はどッとばかりにどよめいた。手をうつ者もあり、鼻をつまむ者もあり、耳に蓋する者もあれば、さては矢庭にかたえの人の鼻をつまんで捩じあげる者もあった。ののしり、わめき、さて、ある者は逆立ちし、またある者は矢庭に人の股倉をくぐりぬければ、またある者はあおむけにでんぐり返って、両足をばたばた振った。
異様なこととは言いながら、その可笑しさに堪えがたく、旅人は透見の身分も打忘れて、思わず笑声をもらした。
どよめきは光と共に掻消え、あとは真の闇ばかり。