Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate

Aozora Bunko

「踏台じゃなか。こいも治療の一方法ござす」

あんまはかるく足踏みをした。肋骨がぐりぐり動くのが、自分でも判った。

「よか気持でしょう」

そう言いながら、あんまはそろそろと降りた。五郎は憤然と起き上って、寝具の上にあぐらをかいた。あんまは今度は頭の皮膚のマッサージに取りかかった。頭の皮はきゅとしごかれ、その度に眼が吊り上る。怒るな、怒るなと、五郎は自分に言い聞かせながら、我慢をしている。やっと全部が済んだ。

「揺り返しが来もんでな、明晩もあんまか指圧師にかかりやった方がよろしゅござんそ」

「揺り返し?」

「揉んほぐした凝いが、また元い戻ろうとすっとござすな。そいをも一度散らしてしも。何ならわたっが――」

「いや。明晩はここにいない」

「あ。そうござしたな。では次の旅先で――」

そう言いながら、あんまは手をうろうろさせた。

「お客さあ。灰皿をひとつ、貸して下さいもせ」

彼は灰皿を取ってやり、じっと老あんまの動作を見守っていた。あんまは煙草を出し、器用にマッチをつけた。彼は言った。

「あんたは全くのめくらじゃないね」

「はい。右の眼が少しは見えもす。ぼやっとね」

五郎も煙草を出して、気分を落着かせるために火をつけた。