Classici giapponesi con furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate
所詮、彼等は私と全く異った世界に住む男達であった。そして、私は、吉良兵曹長の中に住む鬼を、理解するには、あまりにも疲れ過ぎている。疲れていると言うよりは、そのような無縁のものを考えるより、私には、迫り来つつある自らの死のことが気になっていたのだ。桜島に来て以来、このことは常住私の心を遠くから鈍く脅やかし続けている。――
確かに、私は苛立っている。連日の睡眠不足のせいもあった。が、それだけではなかった。一言で言えば、私は、私の宿命が信じ切れなかったのだ。何故私が、小学校の地理では習ったけれども、訪れる用事があろうとも思えなかった此の南の島にやって来て、そして此処で滅亡しなければならないのか。この事が私に合点が行かなかったのだ。合点が行かなかったというより、納得しようと思わなかったのだ。納得出来るわけのものでなかった。しかし事態は、急迫していた。どの道どのような形でか、覚悟を決めなければならぬ処まで来ていたのだ。
暗号室や居住区での雑談で、米軍が何処に上陸するかということが、時々話題にのぼった。海軍は吹上浜に上陸を予想し、陸軍は宮崎海岸の防備に主力を尽しているという噂がまことしやかに語られた。