Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しいのき

椎の木

豊島 与志雄

Leggi 椎の木 (しいのき) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6002 caratteri · 13 schermate

Aozora Bunko

猫はそこに爪をたててちょっと止まりましたが、身をねじりながら、ぱっと地面にとびおりました。

一郎は笑いました。

「ミミーもだめだっていうよ。あきらめようよ。」

二郎は考えこみました。それから、きゅうに眼をかがやかせました。

「そうだ、植木屋にたのもう。近いうちに植木屋が来るって、お母さまが言っていらしたよ。植木屋なら、あすこまで登れるよ。」

「ほんとに来るのかい。」

「ほんとだよ。お母さまに聞いてごらんよ。」

「そんなら、凧をつないでおこう。」

糸を切って、そのはじを、つつじの木にゆわえつけました。

そして、二郎は糸巻をもち、一郎は猫をだいて、あちらへ行きました。

椎の上枝のへんは、にわかに、そうぞうしくなりました。そこに住んでる多くの椋鳥が、凧のことでしばらく静まりかえったあと、いっそうにぎやかに飛びかい、なきたてました。

そこへ、一羽の烏がとんできて、上枝にとまりました。椋鳥たちはちょっと黙りました。

烏は用心ぶかくあたりを見まわしました。それから、じっと凧を眺めました。凧にかいてある赤いひげだるまの絵を、うさんくさそうに眺めました。

その近くに、一羽の椋鳥がとびだしてゆきました。