Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate
とふじこが云った、「わたしが在をとびだして来たのも、久兵衛がうるさくってかなわねえからです、惚れてくれるのは悪くはねえですけれど、雄猫まで疑うような白痴はまっぴらです」
「その、――久兵衛だが」と七十郎が訊いた、「鉄砲を持って跟け覘って、結局どうしたんだ」
「どうもしなかったです」
「捉まらなかったのか」
「追い詰めたです、追い詰めたことは追い詰めたですが、――そうですよ、殿さまを射たねえで、ほかのものを射ったです」とふじこは軽蔑したように肩を辣めた、「そのとき殿さまは怒って、射つならなぜおれを射たないんだ、どうしてだ、ってたいへんお怒りになって、領分から出てゆけって仰しゃったそうです、あとでお許しが出たですけれど、二年ばかりは船岡領へ近よれなかったですよ」
「ほかのものを射ったって、なにを射ったんだ」
ふじこはまた肩を辣めて、なに、たいしたもんじゃねえです、と云った。
「お客さんには話してもわからねえようなものですよ」
「あの男が怒った」と七十郎は唇を曲げた、「原田甲斐が怒った、しかも自分を射たなかったということでか、そいつはなにかの間違いだ、話に尾鰭が付いたのだろう」