Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate
「鮎も夜釣りをするんですか」
「船迫の柏屋に伊助という者がいまして、篝釣りというのをやります、淵のところで水の上へ篝火を架けると、魚が火をしたって集まるのです、そこを釣るのですが、蚊も集まって来るので弱りました」
「隼人に断わりましたか」
宇乃は手拭を水でしぼって津多女に渡しながら、小言にならなければいいが、と思った。帯刀が黙って外出するのを、津多女はなによりも嫌っていた。甲斐のいるときならべつであるが、そうでないときは帯刀が館のあるじである、という意味なのだ。
「片倉には断わって出ました」と帯刀はおとなしく答えた、「ちょうど柏屋に吉岡どのが泊っておられまして、あとで館へうかがうから、と申されました」
「吉岡とは、奥山大学どのか」
「祖母さまになにか話しがあるような口ぶりでした」そして帯刀は祖母に魚籠を示した、「いい形のおち鮎がだいぶありますが、ごらんになりますか」
津多女はかぶりを振った。
「これを焼いて父上に届けたいので、宇乃を貸していただきます」と帯刀は云った、「榾火で焼きあげるのは宇乃がいちばん上手ですから、お願いします」
「奥山どのがわたしになんの用であろう」