Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate
が、幾たびとなく起こっているようです、わたくしは隠居の身で、御政治むきのことには一向に不案内ですけれども、吉岡どのはそういう事情をよく御存じの筈で、御存念の第一は御家大切ということですから、わたくしなどが差出口をする余地はないと思います」
「おきびしいことだ」大学は汗を拭いて咳をし、また汗を拭きながら云った、「相変らず刀自はおきびしい、私はその御気性を頼みにしてまいったのです、そのほうが事を穏便にするみちだと思ったのだが、――どうしても原田どのへの御助言はかないませんか」
「茶を替えましょう」と津多女は云った。
大学は忿然とし、声を荒くして「刀自」と呼びかけた。
「お静かに」と津多女は手をあげて制し、なにかに聞きいるような眼つきをした、「――郭公が鳴いていますね」
樅の林のほうで、かっこう、ときれいに鳴く声がした。それは武庫の裏にある杉林のほうへ移り、それから館の下の池に添って、杉山のかなたへと、鳴きながら遠ざかっていった。
宇乃が茶菓を替えると、大学はまもなく帰っていった。津多女はひきとめなかったし、大学は玄関で、刀自もお年のことだから健康に気をつけるように、もうお眼にかかることもあるまい、などということを、作った慇懃さでねっちりと云った。