Classici giapponesi con furigana
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そり
橇
黒島 伝治
Leggi 橇 (そり) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.663 caratteri · 24 schermate
「さっき俺れゃ、二ツ三ツ引金を引いたんだ。」
父子は、一間ほど離れて雪の上に、同じ方向に頭をむけて横たわっていた。爺さんの手のさきには、小さい黒パンがそれを食おうとしているところをやられたもののようにころがっていた。
息子は、左の腕を雪の中に突きこんで、小さい身体をうつむけに横たえていた。周囲の雪は血に染り、小さい靴は破れていた。その様子が、いかにも可憐だった。雪に接している白い小さい唇が、彼等に何事かを叫びかけそうだった。
「殺し合いって、無情なもんだなあ!」
彼等は、ぐっと胸を突かれるような気がした。
「おい、俺れゃ、今やっと分った。」と吉原が云った。「戦争をやっとるのは俺等だよ。」
「俺等に無理にやらせる奴があるんだ。」
誰かが云った。
「でも戦争をやっとる人は俺等だ。俺等がやめりゃ、やまるんだ。」
流れがせかれたように、兵士達はリープスキーの周囲に止ってしまった。皆な疲れてぐったりしていた。どうしたんだ、どうしたんだ、と云う者があった。ある者は雪の上に腰をおろして休んだ。ある者は、銃口から煙が出ている銃を投げ出して、雪を掴んで食った。のどが乾いているのだ。