Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.724 caratteri · 355 schermate

Aozora Bunko

」

「勝手にそう思うなら、仕方がありません。」

「主謀者と見られてもいいというのかね。」

「よくはないんです。しかし、仕方がないでしょう。」

次郎の調子は少しとがっていた。道江の問題から遠ざかるにつれて、彼は次第に元気をとりもどして来たのだった。徹太郎は、しかし、心配そうに、

「君、やけになっているんではないかね。」

「やけになんかなりません。しかし、自分で正しいことをして退学されても、ちっとも恥ずかしいことはないと思っているんです。」

「ふむ。」と、徹太郎は感心したようにうなずいたが、「しかし、少し考えが足りなかったとは思わないかね。」

「思っています。あんなもの、何の役にも立たないってこと、あとになって気がついたんです。」

「うむ。しかし、無理もないね。役所というところを君らは全く知らないんだから。」

「僕はそんな意味で考えが足りなかったとは思っていないんです。役所は正しいことを通すのがあたりまえでしょう。」

「うむ、それで?」

「それで僕たちが正しい願いだと思った事を役所に出すの、あたりまえです。考えが足りないことなんか、ちっともありません。役所がだめだから正しい願いでも、慮して出さないで置こうかなんて考える人があったら、その人こそ考えが足りないと僕は思うんです。