Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.724 caratteri · 355 schermate

Aozora Bunko

」

さっきから心配そうに次郎の横顔をじっとのぞいていた奥さんは、気持をほぐすように立ち上って、廊下に出た。が、すぐ、

「あら、どなたかいらっしゃったようですわ。」

と、小走りに玄関の方に走って行った。

玄関からは間もなくにぎやかな話声がきこえて来た。奥さんがおどろいたように、しかし、しんからうれしそうに迎えているらしい声にまじって、二三人の男の声がきこえた。その一人はすぐ俊亮だとわかったが、ほかはちょっと判断がつかなかった。

朝倉先生と次郎は聞き耳を立てながら、眼を見あった。

「ひとりは大沢の声のようじゃないかね。」

先生が言った。すると、次郎は飛上るように立って、廊下に出た。

「ちょうど次郎さんもお見えになっていますわ。」

そう言っていそいそと歩いて来る奥さんのうしろに俊亮、そのうしろに大沢と恭一とが、おそろしく日焼けのした顔を、よごれたシャツからつき出して、つづいていた。

「おめずらしいお客さまですわ。」

奥さんは、朝倉先生にそう言って三人を部屋に案内すると、いそいで台所の方に行った。

俊亮は、座につきながら、

「私がちょうど出かけようとするところへ、恭一が大沢君をつれてだしぬけに帰って来たものですから、汗もろくろく流させないで、いっしょにお伺いしたわけなんです。