Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.724 caratteri · 355 schermate

Aozora Bunko

それから、

「やあ、道江さんも来ていたんだね。」

と、にこにこ笑いながら、みんなと円陣をつくった。

が、それっきり、持っていた団扇でゆるゆると頸のあたりをあおぐだけで、いつまでも口をきこうとしない。

「僕、次郎君のさっきの話、いま階下で小父さんにも話したんだ。」

大沢がとうとう先に口をきった。それでも俊亮はしばらく口をきかなかったが、急に団扇の手をやすめて次郎に言った。

「で、次郎、お前どう考えているんだい。」

「どうせ。学校にはもう行けないと思っているんです。」

次郎は眼をふせて答えた。

「そりゃあ、もうわかっている。父さんは、お前が配属将校に呼ばれたときいた時に、きっとそんなことになるだろうと覚悟をきめていたんだ。朝倉先生が別れぎわに言われた言葉だけでは、まだいくぶん未練を残していたがね。」

みんなは顔を見合わせた。俊亮の言葉は、彼らにとって、全く意外だったのである。次郎自身は、なぐりとばされたようでもあり、ひょうしぬけがしたようでもあり、急に気が軽くなったような気持でもあった。

「だが――」

と、俊亮はちょっと考えて、

「どんな態度で学校を退くか、その退きかたが問題だよ。