Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 117.781 caratteri · 235 schermate
一一 上酒一斗
そのうちに白鳥会員が四五名やって来たが、二人の話をきくと。
「なあんだ、馬鹿にしてらあ。」
と、あっさり帰って行ってしまった、そのほかには生徒は一人も見えなかった。むろん宝鏡先生も見えなかった。
発車のベルが鳴ると、新賀は改札口の方を睨みつけるようにして言った。
「しようのない先生だったなあ。」
次郎は、しかし、いやに淋しい気がした。
(僕たちは、恐らく、もう永久に宝鏡先生に会う機会がないだろう。これは無計画の計画とも少しちがうようだ。)
彼は、その時、そんなことを一人で考えていたのである。
一一 上酒一斗
次郎は、四月以来、恭一と大沢から、熊本城や、阿蘇山や、水前寺などの絵はがきを、何枚も受取っていた。書いてあったことはいずれもごく簡単だったが、二人の愉快そうな生活の様子は、その間からもうかがわれた。次郎はそれを一枚残らず大事に机の抽斗にしまいこんで、おりおり取り出しては見るのだった。
六月末頃になって、恭一からはじめてかなり分厚な手紙が来た。それには学寮生活の様子がこまごまと記してあり、
「ここでは舎監と生徒との関係よりも、生徒相互の関係が重要だ。つまり、生徒がお互いの工夫と努力とで共同生活を建設して行くところに、中学校の寄宿舎などでは味わえない興味がある。