Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 117.781 caratteri · 235 schermate
次郎は、ひとり取残されて、もじもじしながら、台所の方を見た。するとお芳が妙に意味ありげな眼付をしてうなずいて見せたので、思いきって、ちゃぶ台のそばに坐ることにした。
「お祖母さんは?」
次郎は、お芳に飯を盛ってもらいながら、たずねた。
「さっき、次郎ちゃんを探して来るって、俊ちゃんと二人でお出かけになったんだよ。たぶん橋の方だと思うけれど。……次郎ちゃんは、どちらからお帰り。」
「僕、橋の方から帰って来たんです。天神様にいたんですけれど。」
「じゃあ、お祖母さんは橋を渡って向こうにいらしったのかも知れないわ。」
それからしばらく、どちらからも口をきかなかった。次郎は、たべかけた飯椀を急に下に置き、箸を持った手を膝にのせ、何か思案していたが、
「僕、今日はお父さんに済まないことをしちまったんです。」
「ええ……」
と、お芳は、あいまいな返事をしたが、しばらく間を置いて、
「実はお父さんも、仙吉にその話をおききになって、そりゃあびっくりなすったの。それに、お祖母さんが、今日はめずらしく次郎ちゃんの肩をもって、かえってお父さんが気がきかないように仰しゃるものだから、よけいいけなかったわ。