Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 117.781 caratteri · 235 schermate
「あたしがこのためにどんな赤恥をかいたか、ひととおりお耳に入れて置きますから、ようくきいて置いて下さいよ。昨日は、永年ごひいきのお客が見えましてね、それも久しぶりのお友達と御夕食をめしあがろうというのですよ。あたし、まだお吸物も差上げないうちにお呼びだものですから、何事かと思ってお座敷に出てみますと、そのお客さん、すました顔で私にお盃を下すって、わざわざご自分でついで下さりながら、仰しゃることが変じゃありませんか。お前もこのごろ少し焼きがまわったようだねって。あたし、何のことだかわからなくって、盃を手にもったままご挨拶に困っていますと、今度は、盃はさっさとのんで返すもんだよ、と仰しゃる。そこで、あたしがぐっと飲みほしたっていうわけでございますがね。」
俊亮は、しかし、いっこうに驚いたようなふうがない。
「なるほど。」
と、彼は二度ほど軽くうなずいて見せたきりである。お内儀さんは、それがぐっと癪にさわったらしく、
「本田さん!」
と、燗徳利をわしづかみにして膝を乗り出しながら、
「そのお酒というのがこの銚子のお酒なんですよ。この中にはあんたのお店からいただいたお酒がはいっているんですよ。