Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

」

「ええ。」

次郎の頭には、すぐ大河無門の顔がうかんで来た。しかし、「変わった」という先生の言葉の意味がちょっとうたがわしかったらしく、

「大河っていう人のことでしょう。」

「うむ、大河無門、さっき名簿で見たんだが、めずらしい名前だね。」

「ええ、名前もめずらしいんですが、人間も非常にめずらしいんじゃないかと思います。」

「私もそう思う。たしかにめずらしい青年だよ。」

「もう本人をご存じなんですか。」

「まだ直接会ってはいない。しかし、式場で眼についたので、朝倉先生にたずねて見たんだ。」

次郎は、「式場で眼についた」ときいた瞬間、何か明るいものが胸の中にさしこんだような気がした。かれはうれしくなって、膝をのり出しながら、

「あの人、大学を出ているんです。」

「そうだってね。」

「年も、ぼくよりずっと上なんです。」

「そうだろう。顔を見ただけでも、たしかに君の兄さんだ。それに――」

と田沼先生は、ちょっと微笑して、

「精神年齢のほうでは、いっそう年上らしいね。」

次郎はそれを冗談だとは受け取らなかった。かれは真剣な顔をして、

「ぼく、あの人が塾生で、ぼくが助手では、変だと思うんですけれど……」