Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

気持ちはあんがい純真じゃないかと思いますが……」

「そうかもしれないね。……それで、べつにこれまでと大して変わったこともなかったんだね。」

「ええ――」

と、次郎はちょっと考えていたが、

「今のところ、平木中佐の影響でどうこうというようなことは、全然ないように思います。」

「そりゃあそうだろう。それがあらわれるのはまだ早いよ。」

それから、朝倉先生は、何かおかしそうにひとりで笑っていたが、

「それに、今朝はすいぶん寒かったし、平木中佐どころではなかったんだろう。」

次郎は、すぐには、その意味がのみこめないで、きょとんとしていた。すると、先生は、

「こんな寒い朝に、死ぬ気になってみんながはね起きてくれると、平木中佐に感謝してもいいんだがね。」

二人は声をたてて笑った。次郎は、しかし、すぐ真顔になり、

「けさの板木の音、どうでした?」

「最初の朝にしては、めずらしいことだったね。時刻が非常に正確だったし、それに、打ち方がちっとも寒そうでなかった。」

「先生もそうお感じでしたか。」

「感じたとも。あんな落ちついた打ち方は今日のような寒い朝には、なかなかできるものではないよ。