Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

自分はさらしものにはなりたくない。そういった気持ちだったのである。

かれは、すぐ、机のひきだしから一枚の新しい葉書をとり出して、恭一あての返事を書いた。ペン先にやけに力がこもった。

「はがき見た。何のことやらわからぬ。沈黙はむろん結構。的なきに矢を放つようなことを君のほうでやりさえしなければ、僕ははじめから沈黙しているのだ。前便再読をのぞむ。これだけいって、いよいよ沈黙しよう。」

かれはつめたく微笑しながらペンをおいた。しかし、それと同時にかれの眼をひいたものがあった。それは机の上に開いたままになっていた「歎異抄」だった。

かれは、しばらく、今書いたばかりの葉書と「歎異抄」とを見くらべていたが、やにわにその葉書をわしづかみにし、もみくちゃにしてにぎりしめ、そして、にぎりしめたこぶしの上に顔を突っ伏せた。

こうして、この日も、次郎にとっては、決して昨日より楽な日だったとは言えなかったのである。

翌二十六日は火曜日だった。雪は昨夜もふりつづいたらしく、赤松がずっしりと重く枝をたれており、くぬぎ林が、雪だるまをならべたようにまるまっていた。

この数日は、門から玄関までの道の雪をかくことが、塾生たちの朝食後の仕事になっていたが、今日は、まだかき終わらないうちに、外来講師の小川先生が、ゴム長をはいてやって来た。