Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.443 caratteri · 398 schermate
」
次郎ははっとしてまともに大河の顔を見た。大河はにっと笑って、次郎の両肩に手をかけ、
「実は、ぼくも、あなたの様子が今朝から変だと思って、小母さんにたずねてみたんです。すると小母さんが、何もかも打ちあけて、ぼくにあなたを慰めてくれ、と言ったんですよ。ははは。」
大河の笑い声はびっくりするほど高かった。次郎はがくりと首をたれた。大河は、すぐ真顔になり、
「友愛塾は、勝つとか負けるとかいうことを考えるところではないんでしょう。ぼく、それがおもしろいと思うんです。くやしがったりしちゃあ、塾の精神が台なしになるじゃありませんか。やっぱり愉快に行脚しましょうよ。」
次郎はいきなり大河に抱きついた。そしてむせぶように言った。
「ぼく、助かりました。……これから大河さんに、もっといろいろきいてもらいたいことがあるんです。旅行に出たら、すっかり話します。」
この時、塾長室の窓から、二人の様子をじっと見まもっていた四つの眼があった。それはむろん朝倉先生夫妻の眼だった。次郎も大河も、しかし、それにはまるで気がついていなかった。
その後、旅行までの二日間は、べつに変わったこともなくすぎた。