Classici giapponesi con furigana
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
Leggi 欧洲紀行 (おうしゅうきこう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.107 caratteri · 241 schermate
五月十一日
五月十二日
五月十三日
五月十一日
ローザンベリへマチスの展覧会を見に行く。今年の製作品が主なものだ。またマチスは変って来た。先日ピカソの会を見たときにはいかにしてマチスはピカソの豪宕な変化に太刀打するかがひそかに私の興味であったが、やはりマチスも大天才だと感歎した。この二人の競い合った結果は、セザンヌを第三位に落し始めて来つつあるようだ。ピカソの本格の追求に対してマチスの豊かさは、いささか横に外れた傾きを感じさせるが美しさではマチスは第一等であろう。今年のマチスの主調色は黒色である。何となく、日本婦人の黒襟の華美な着物を見ているようだがしかし味には落ちていない。
五月十二日
今日もまたマチスを見に行く。絵画も文学と同じだとつくづくと思う。日本には文学にも絵画にもまだ本格がないのだ。そのため直ちに味に堕落する危険性が何人にもあるのである。心すべきことだと思う。これに芸術家が足をすくわれたら最後だ。しかし、今はこんなことを書くのはやめよう。
五月十三日
珍らしく晴れだ。今日もマチスの展覧会のある前まで来る。いったい、この街まで二里はあるのだが毎日来たくなるのには理由がある。このリュウ・ラ・ボエッシイからサントノレの長さ十町足らずの通りは、パリーの伝統の一番濃厚に出ている町であるからだ。