Classici giapponesi con furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Leggi 残されたる江戸 (のこされたるえど) di 柴田 流星 (しばたりゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.677 caratteri · 80 schermate
梅と桜
何事にも走りを好む江戸ッ児の気性では、花咲かば告げんといいし使いの者を待つほどの悠長はなく、雪の降る中から亀戸の江東梅のとさわぎまわって蕾一つ綻びたのを見つけてきても、それで寒い怠いも言わず、鬼の首を取りもしたかのように独り北叟笑んで、探梅の清興を恣にする。もしそれ南枝の梢に短冊の昔を愛する振舞いに至っては、必ずしも歌句の拙きを嗤うを要せぬ、倶利迦羅紋紋の兄哥にもこの風流あるは寧ろ頼もしからずとせんや。
遮莫、這個の風流も梅の清楚なるを愛すればのこと、桜の麗にして妍なるに至ては人これに酔狂すれどもまた即興の句にも及ばず、上野の彼岸桜に始まって、やがて心も向島に幾日の賑いを見せ、さて小金井、飛鳥山、荒川堤と行楽に処は尠からぬも、雨風多き世に明日ありと油断は出来ず、今日を一年の晴れといろいろにおもいを凝らし、花を見にゆくのか人に見られに行くのかを疑うばかりであった桜狩りの趣向も、追々に窮屈になりこして、しかも無態な広告の看板や行列に妨げられ、鬼の念仏お半長右衛門の花見姿は見ることもならず、相も変らぬは団子の横喰い茹玉子、それすら懐で銭を読んでから買うようになっては情ないことこの上なし、世は已に醒めたりとすましていられる人は兎も角、こちとらには池塘春草の夢、梧の葉の秋風にちるを聞くまでは寧ろ醒めずに