Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さつじんめいろ

殺人迷路

江戸川 乱歩

Leggi 殺人迷路 (さつじんめいろ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8041 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

署長は中途で引取って、「その今朝の男の靴跡も如才なく検べてあるんです。併し、これとはまるで違っていましたよ」

「アア、そうでしたか。じゃ下手人ではなかったのですね。でも、同類でないとは極められませんよ。彼等は実に符節を合わすように似ているんですからね。では、今朝この鎌倉に現われた男女が、どうして東京にいたかとおっしゃるか知れませんが、その点は訳なく解釈出来るのです。彼等が空家を見に来たのは九時頃だって云いますから、それから直接引返せば、自動車にしろ、電車にしろ、東京へは二時間以内で行けるんですもの、同じ二人が、午後二時頃上野公園へ現われたって何の不思議もありません。正岡さん、あなたはどうお考えになります」

津村は名探偵の同意を求めた。

「サア、それも可能ではありますね。併し、確かな証拠を握るまでは、そうと極めてしまう訳には行きませんよ」

正岡氏は、西洋小説の名探偵と同じように、捜査なかばに、彼自身の結論を発表しない癖があった。

もう夕闇が迫っていた。怪犯人の靴跡も目をこらさなくては見分けられぬ程になっていた。

「では一度署の方へ寄りませんか。もう被害者の写真や指紋写真の焼きつけが出来ている時分だし……」