Classici giapponesi con furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Leggi 比島投降記 (ひとうとうこうき) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.333 caratteri · 134 schermate
しかも、ここはこんな竹の床で設備が悪いから、自分達のいるアパリで寝起きするようにしよう、向うにはコット(折畳式のベッド)もあるし、第一海岸だから気持がいい、朝は自分と一緒にジープで来て、晩に帰ればいいだろうとのことである。竹だろうが木だろうが、ちっとも構いませんといって、僕はT、Hの両君と一緒に、通訳として残ることになった。ラロの仮収容所では、夜でも用事が起るので、結局アパリから通勤することは実行出来なかったが、収容所の一隅にテントを張り、そこにコットを置いて、僕等の住居をつくってくれた。
この若い少佐が、所長なのかどうかは知らないが、とにかく、ここでの最上官だ。その人が自分で歩き廻って、向うから通訳になってくれぬかと頼んだことは、日本の軍隊とはまるで違う。僕の極めて僅かな見聞からしても、日本の将校はそんなことはしない。いばりくさって、兵隊を使いによこすぐらいが関の山だ。僕は自分の倅に毛の生えた程度の中尉や少尉、ひどい時には東北の、聞いたこともないような専門学校から学徒出陣をして来たという見習士官なんぞに、さんざんいばり散らされたり厭味をいわれたりして、不愉快な思いばかりして来た。