Classici giapponesi con furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Leggi 比島投降記 (ひとうとうこうき) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.333 caratteri · 134 schermate
軍医の方が残念ながら、どうも一生懸命にならぬ傾向があり、G中尉もはじめの間「米国陸軍としては、早く患者が治って帰国出来ることを念願し、そのためには必要な薬品は出来るだけ入手しようとしているのだ。癒すも癒さんも日本の軍医の責任であるのに、どうも熱が足りないように思われる。日本の軍医とはこんなものなのか。同じ日本人でありながら、どうしてこう冷淡なのだろう」といっていたぐらいであったが、衛生兵の方は実によく患者の面倒を見た。もちろん数は多く、中にはひどい人間もいたには違いないが、僕と一緒にいた人達の絶対多数は、骨身を惜しまず働いた。これには、日本の軍医制度そのものに欠点があったのかも知れない。たとえば開業十数年で学位を持っている人が応召すると見習士官で、はるかに年齢も下で、経験はほとんど皆無でも、軍医学校を出た者が中尉だったりして、「くさってしまう」場合が多かったのだろうが、それにしても、兵隊の命を粗末にするとしか考えられぬことや、いかにも親切気が足りぬと思われることが度々あった。軍医側にして見れば、僕が素人であるがゆえに、死とか苦痛とかに対して、素人的に過敏なのだというかも知れない。