Classici giapponesi con furigana
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すいめんにうかんだおんな
水面に浮んだ女
田中 貢太郎
Leggi 水面に浮んだ女 (すいめんにうかんだおんな) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4721 caratteri · 10 schermate
消息を探って貰った。その人は半年ばかりで帰って来て、
(平兵衛殿には、土州で郡奉行になっておられるが、前方で御妻室を持って、男の子まであります)
と云った。女はそれを聞くと非常に口惜しがって、その夜川へ身を投げて死んでしまった。隣の者が驚いてその家へ往って見ると、竈の中で種種の書類や道具でも焼いたのか、その中に箱の燃えさしや紙の燃えさしが散らばっていた。
女の自殺したことはやがて加賀の知人から平兵衛の許へ知らして来た。
平三郎は十九になっていた。行燈の燈で草双紙のようなものを読んでいた。それは微熱をおぼえる初夏の夜であった。そこは母屋と離れた離屋の部屋であった。
庭の飛石に下駄の音がした。平三郎は何人であろうと思いながら、やはり本を読んでいた。枝折戸の掛金をはずす音が聞えた。
「何か用事ができて、迎いにでも来たろうか」
と、思っていると、やがて下駄の音が縁側へ近づいて、障子の開いてる処から婢が入って来た。婢は手に何か持っていた。
「若旦那様、奥様からこれを」
婢は右の手に燗鍋と盃を持ち、左の手に肴を盛った皿を持っていた。
「ごたいくつでございましょうから、これをおあがりになるように、奥様が申されました」