Classici giapponesi con furigana
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えいじつしょうひん
永日小品
Leggi 永日小品 (えいじつしょうひん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.000 caratteri · 100 schermate
翌日朝飯を食いに下りると、昨夕の親子のほかに、また一人家族が殖えている。新しく食卓に連なった人は、血色の好い、愛嬌のある、四十恰好の男である。自分は食堂の入口でこの男の顔を見た時、始めて、生気のある人間社会に住んでいるような心持ちがした。my brother と主婦がその男を自分に紹介した。やっぱり亭主では無かったのである。しかし兄弟とはどうしても受取れないくらい顔立が違っていた。
その日は中食を外でして、三時過ぎに帰って、自分の部屋へ這入ると間もなく、茶を飲みに来いと云って呼びにきた。今日も曇っている。薄暗い食堂の戸を開けると、主婦がたった一人煖炉の横に茶器を控えて坐っていた。石炭を燃してくれたので、幾分か陽気な感じがした。燃えついたばかりのに照らされた主婦の顔を見ると、うすく火熱った上に、心持御白粉を塗けている。自分は部屋の入り口で化粧の淋しみと云う事を、しみじみと悟った。主婦は自分の印象を見抜いたような眼遣いをした。自分が主婦から一家の事情を聞いたのはこの時である。
主婦の母は、二十五年の昔、ある仏蘭西人に嫁いで、この娘を挙げた。幾年か連れ添った後夫は死んだ。