Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどのかじゅつ

江戸の火術

野村 胡堂

Leggi 江戸の火術 (えどのかじゅつ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.929 caratteri · 36 schermate

Aozora Bunko

両家の血の争い

井上半十郎は四方を見廻し乍ら、始めました。

話は今から丁度五年前、正保三年九月十三日の出来事――。

両家の血の争い

幕府大筒役として千石を食む井上外記正継は、同役稲富喜太夫直堅(六百五十石)と、五貫目玉五十丁撃の事から争いを構え、

「出来る」「いや出来ぬ」「見事拙者がやってお目にかけよう」「何んの貴殿如き」と、果しもなく意地を張り続けました。

時の御持筒役頭は千八百石長坂丹後守信次、曾て慶元再度の戦いに、長坂血槍九郎と名乗って、旗本変名組に勇名を馳せた、戦場万馬往来の古武夫です。組下の両名家、井上、稲富が争いを続けていては、世上への聞え、部下の示しも如何と、自分の宅へ二人呼寄せ、部内の重立った者を立会として、和解の宴を催しました。其処までは無事でしたが、長坂丹後守の処置に偏頗があったのと、酔が言わせる過言が祟って、激怒を発した井上外記は、席上組頭なる主上の長坂丹後守と、競争相手の稲富喜太夫を斬って捨て、自分もまた、同席の小栗長左衛門、奥山茂左衛門に討ち留められ、其場で三人共相果ててしまったのです。

この始末は「寛政重修諸家譜」並に「二川随筆」に詳しく見えましたが、私の争は厳重な法度で、長坂家は断絶、井上外記の子半十郎正景、稲富喜太夫の子喜三郎直久は、共に士籍を削って追放、これで一応事件は片付きました。