Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどまえのつり

江戸前の釣り

三遊亭 金馬

Leggi 江戸前の釣り (えどまえのつり) di 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.910 caratteri · 214 schermate

Aozora Bunko

今まではそれほどでもなかったが、毎週テレビのオビ番組を三年間も持つようになってからは、日本全国へ人相書きがまわっているようなものだ。知られたくないときに知っていて、反対に知っていてくれればよいと思うときには知らないので困る。

フッコ釣りの早出に、舟宿へ行って泊まろうと、最終国電で酔って駅前までくると、非常警戒にぶつかった。ポリス君に提灯をつきつけられた。

「何だきみは、そんな服装をして今ごろどこからどこへ行く、背負っている荷物は何だ」

「これから釣りに行くんです」

「魚釣り? それにしては釣り竿を持っておらんね」

「釣り竿は舟宿にあずけてあるのです。ぼくは、はなし家の金馬ですよ」

「はなし家? 金馬? それは何だね」

名刺を出してもいっこうに通じない。東京のどまん中に、こんなわからない人がいるものかと、つくづくなさけなくなることがある。

顔を知らなければよいと思う円タクの運ちゃんが知っていて、つり銭も取れないこともある。釣りの服装ならわかるまいと、ボロ服に髭だらけの顔、やぶれ手袋で往来を歩いていると、「写真を撮らせてください」、「サインをしてください」といわれる。