Classici giapponesi con furigana
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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
Leggi 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.110 caratteri · 131 schermate
なお例えて云うて見ると、盗人が人の宝に思いをかけて盗もうと思う心は底に深いけれども表面はさり気なき色にして決して人にはあやしげなる色を見せまいとするようなものじゃ。その盗み心は人は誰れも知らないから少しも飾らない心になる。本当の往生もまあそんなようなものだ。人に見せないで仏より外には知る人もない念仏、そこで疑いのない往生が出来るわけだ」
それを聴いて四郎が、
「よくお言葉がわかりました。それを承って私もどうやら往生が出来そうでございます。ではこれから人の前で珠数を繰ったり、口を動かしたりして念仏をすることは止めましょうかしら」
というと法然がまた、
「それはまた僻みというものだ。念仏というものの本意は常念でなければならぬ。強いて性質をためて本来臆病の者が剛の者の真似をするにも及ばない。剛の者がまた変に臆病がるにも及ばない。本性にうけて真の心で如何なる処、如何なる人の前で申すとも少しも飾る心がなければそれが真実心の念仏で、きっと往生が出来る」
といって三心の事を説いて聞かせると、四郎が、
「それではその夜中に念仏をいたします時には必ず起きていてしなければなりますまいか。