Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
Leggi 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.269 caratteri · 223 schermate
嘉十はすすきに触れないように気を付けながら、爪立てをして、そっと苔を踏んでそっちの方へ行きました。
たしかに鹿はさっきの栃の団子にやってきたのでした。
「はあ、鹿等あ、すぐに来たもな。」と嘉十は咽喉の中で、笑いながらつぶやきました。そしてからだをかがめて、そろりそろりと、そっちに近よって行きました。
一むらのすすきの陰から、嘉十はちょっと顔をだして、びっくりしてまたひっ込めました。六疋ばかりの鹿が、さっきの芝原を、ぐるぐるぐるぐる環になって廻っているのでした。嘉十はすすきの隙間から、息をこらしてのぞきました。
太陽が、ちょうど一本のはんのきの頂にかかっていましたので、その梢はあやしく青くひかり、まるで鹿の群を見おろしてじっと立っている青いいきもののようにおもわれました。すすきの穂も、一本ずつ銀いろにかがやき、鹿の毛並がことにその日はりっぱでした。
嘉十はよろこんで、そっと片膝をついてそれに見とれました。
鹿は大きな環をつくって、ぐるくるぐるくる廻っていましたが、よく見るとどの鹿も環のまんなかの方に気がとられているようでした。その証拠には、頭も耳も眼もみんなそっちへ向いて、おまけにたびたび、いかにも引っぱられるように、よろよろと二足三足、環からはなれてそっちへ寄って行きそうにするのでした。