Classici giapponesi con furigana
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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
Leggi 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.269 caratteri · 223 schermate
もちろん、その環のまんなかには、さっきの嘉十の栃の団子がひとかけ置いてあったのでしたが、鹿どものしきりに気にかけているのは決して団子ではなくて、そのとなりの草の上にくの字になって落ちている、嘉十の白い手拭らしいのでした。嘉十は痛い足をそっと手で曲げて、苔の上にきちんと座りました。
鹿のめぐりはだんだんゆるやかになり、みんなは交る交る、前肢を一本環の中の方へ出して、今にもかけ出して行きそうにしては、びっくりしたようにまた引っ込めて、とっとっとっとっしずかに走るのでした。その足音は気もちよく野原の黒土の底の方までひびきました。それから鹿どもはまわるのをやめてみんな手拭のこちらの方に来て立ちました。
嘉十はにわかに耳がきいんと鳴りました。そしてがたがたふるえました。鹿どもの風にゆれる草穂のような気もちが、波になって伝わって来たのでした。
嘉十はほんとうにじぶんの耳を疑いました。それは鹿のことばがきこえてきたからです。
「じゃ、おれ行って見で来べが。」
「うんにゃ、危ないじゃ。も少し見でべ。」
こんなことばもきこえました。
「何時だがの狐みだいに口発破などさ罹ってあ、つまらないもな、高で栃の団子などでよ。