Classici giapponesi con furigana
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うみからきたたまご
海からきた卵
塚原 健二郎
Leggi 海からきた卵 (うみからきたたまご) di 塚原 健二郎 (つかはらけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4534 caratteri · 10 schermate
一
一
ミル爺さんは貧しい船乗りでした。若いときからつぎつぎに外国の旅をつづけてきましたので、もう今では大がいの国は知っているのでした。ところがただ一つ日本を知らなかったのです。いつも、印度を通って支那へやってくる爺さんの船は、上海で用をすますと、そこから故郷のフランスの方へ帰っていってしまうのです。
「日本へ行ってみたいな。そしたら、もう船乗りをやめてもいい。」
爺さんはながい間、海の向うにある桜の咲く小さな島国を、絵のように美しく眼にうかべながら、心につぶやくのでした。
この爺さんが、ある日船長から、今度の航海には日本まで行くことになった、ときかされたときのよろこびようたらありませんでした。
「セルゲイ、お爺さんはね、日本へ行くんだよ、日本へ。おまえには、何をおみやげに買って来てやろうね。」
爺さんは、その晩家へかえると、孫のセルゲイをつかまえて、酔っぱらいのようにいくどもいくどもいうのでした。
「ぼく、大将の着た赤い鎧がほしいなあ、かぶとに竜のとまった。」
セルゲイは言いました。いつか絵本で、日本の大将が、まえだてのついた冑と緋おどしの鎧をきて、戦争に行く勇しい姿をみたことがあったからです。